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| 平成16年5月号 | 認められる不動産管理料はいくら? |
| 平成16年6月号 | 損益通算できるもの・できないもの |
| 平成16年7月号 | 相続時精算課税制度利用者 78,000人 |
| 平成16年8月号 | 世間相場の家賃は適時の建物改修と適正な管理で確保 |
| 平成16年9月号 | 土地の贈与を復活する? |
| 平成16年10月号 | これからの税制改正の方向と対応策 |
| 平成16年11月号 | 来年4月からペイオフ全面解禁 |
| 平成16年12月号 | 配偶者に給与をいくら払うべきか |
| 平成17年1月号 | リフォーム支出 費用にできるかできないか |
| 平成17年2月号 | 無風の平成17年度税制改正 |
| 平成17年3月号 | 定期借地権一時払地代の税務明確に |
ファイナンシャル・ネットワーク
平成17年4月号
| 一括前受地代定期借地権活用法 |
T.マンション立地は一括前受地代で無借金賃貸経営
都心や郊外の急行停車駅などの分譲マンションに適している土地、それも地価が高いほど良いのですが、このような土地を所有している方がいらっしゃったとします。この土地は手放すつもりはまったくなく、しかし更地のまま所有していると固定資産税が高くて仕方がない、かといって多額の借金をしてまで賃貸住宅経営をしたくないというご希望だとすると、この土地を一括前受地代方式による一般定期借地権で賃貸する方法が考えられます。
まず、@一般定期借地権で土地を分譲マンション事業者に賃貸します。このとき従来の保証金・地代方式や権利金・地代方式ではなく、A一括前受地代を受け取ります。仮にこの一括前受地代の総額が土地の更地価額の50%だとしましょう。(この割合や相場は今のところまだ事例がありませんので今後決まってくるでしょう)B更地時価5億円の土地だとすると2億円になります。Cこの資金で分譲マンション事業者が建てる建物の何戸かを購入します。建物価格が一戸2,500万円だとすると8戸購入することができます。これを賃貸住宅として一戸につき月20万円で賃貸したとします。
図表1![]()
結果としては、毎年家賃収入が1,920万円になります。建物にかかる固定資産税・都市計画税と建物の管理手数料がかかりますが、利回りとしてはそこそこ良いといえるでしょう。また、土地にかかる固定資産税・都市計画税は賃借人負担とする契約にしますが、建物購入部分の土地にかかる固定資産税・都市計画税は負担する必要があります。土地5億円に対する表面利回りはなんと3.84%にもなります。
このようにして定期借地権で土地を賃貸し、一括前受地代で分譲マンションの建物部分を購入する定借買換え賃貸住宅経営をすると、地代の課税の繰延効果と建物の減価償却効果で所得税の節税効果も高いものになります。
- 受取った地代はそのときに全額課税されず、50分の1ずつ徐々に課税される
- 一時に受取った資金で建物を購入するため、賃貸住宅経営は無借金でできることになる
- 事業用資産の買換え特例を使わないため、全く同じことをする立体買い換えの時と比較して、 建物取得費用の全額が減価償却費の対象となり、所得税が押さえられる
土地所有者に相続が発生した場合の相続税評価額も更地の土地評価から、@土地の評価は定期借地権評価のため、最大45%減額されます。A受取った一括前受地代の現金は建物に替わり、しかも貸家となっているため、約40%程度の評価額になります。B債務控除額は毎期収益計上されますが、未経過賃料は債務控除されるため、大幅に減少することになります。図表1の更地時価5億円(イコール公示地価と同じとする)の土地の相続税評価額が公示地価の80%とすると更地評価額は4億円になります。これが次のように、@土地の評価額が1億7,600万円+6,320万円、A一括前受地代が建物に替わり、建物は貸家になるため、8,400万円(借家権割合40%の地域では7,200万円)合計は3億2,320万円ですから、その差額は7,680万円にもなります。
図表2![]()
上記のように、定期借地権で貸した土地の上で建物を取得して賃貸住宅経営をするのも一つの方法ですが、他に有効活用に向いた土地がある場合には、その土地の上に受取った一括前受地代を資金に建物を建てて賃貸することも考えられます。効果は全く同じです。
U.本社ビルの建て替えと同時に定借マンションに
都心部にある本社が老朽化しているが、建て替えたくとも資金調達が困難で諦めてしまっていたり、もう既に売却してしまったりした例も多いようです。しかし、この土地を定期借地権で賃貸し、自社で使用する部分は自己借地権とし、残りの部分を定借分譲マンションや定借テナントビルとして土地を賃貸することも考えられます。本社移転をせず、新しい本社社屋で営業を続けるわけです。定借テナントビル若しくは定借マンションとして土地を貸すと、一括前払賃料を手にすることになりますから、この資金で建物を取得すればいいわけです。
図表3のように、坪単価200万円の旧本社の敷地300坪を定期借地するとします。これを分譲マンション又は定借テナントビル用地として一般定期借地権で賃貸します。延べ床面積の20%を自己使用しますので残り80%部分を賃貸することになります。50年分の一括前払賃料が土地の時価の50%としますと2億4,000万円になります。この資金を自己借地権設定による自社使用建物購入資金とします。旧本社建物取り壊し費用や様々な付随費用がかかりますし、一階の方が価格が高くなりますのでこんなに単純にはできませんが、必要な自己所有面積の広さや一階でなくても良ければ、自己資金ゼロで本社社屋の建て替えをすることも可能です。
図表3![]()
何も定期借地権にせずとも、借入金で建物を取得して自己所有の賃貸テナントビル経営をした方が長い目で見たときには有利だという方もいらっしゃるでしょう。確かにその通りかもしれません。しかし、今は本業に人・もの・金・情報を集中しないと勝ち残れない厳しい時代です。本業に資金を集中して、借入枠もしっかりと本業のために残しておく方が良いのではないでしょうか?
賃貸ビル経営も本当のプロでないと片手間にやれるような時代ではなくなっているといえます。テナント確保から、定期借家権を駆使した新しい契約方法、技術革新で次から次と新しい設備サービスが生まれ、これに対応する必要性など、競争は激化する一方です。テナントビルだけではなく、賃貸住宅経営でも同じです。ましてや事業法人は本業に経営資源を集中してノウハウ、技術、営業手法などを磨くべきでしょう。
既に何度も解説しましたが、この方法をとると、@受取った地代に対する課税は50年の長期に渡って分割して課税され、A建物の減価償却は事業用資産の買換え特例とは違い、通常どおりの償却が可能ですから、キャッシュフロー上非常に有利になります。その上50年後には土地が更地で返還されることになります。
不動産投資信託、それも証券取引所に上場しているいわゆるリート(REAL・ESTATE・INVESTMENT・TRUST)が、一般の投資家や機関投資家から投資資金を集めて不動産に投資し、その運用益を投資家に分配する競争を繰り広げています。高い分配を実現して株式と同じようにリート証券の価値を高めようというわけです。そうすると不動産はやはり場所が重要ですから駅に近く、中心部でオフィス街に向いていれば賃貸オフィス経営をしても十分収益が見込めます。そのときに事業者サイドとしては、土地に対する投資が少なければ高い利回りを実現できます。このように、不動産の世界も急速にパラダイムが変わりました。このような活用が十分可能になってきています。
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